スノーボードウェアの選び方
スノーボード初心者向けコラム第三弾!
今回は気分がアガるポイントでもあるウェア購入に関してです。
選ぶ際に気を付けたい、知っておきたいポイントなどを中心に書いていきたいと思います。
そもそもスキーウェアと何が違うの?
スキーウェアは全体的にシルエットが細身のものが多く、裾のエッジが当たりやすい部分の生地が強化されているものが多いです。
特に一昔前まではスノーボードの方が、デザインが今風なものが多くデザイン性重視な部分が多かったのですが、最近のウェアはスキーウェアでもシルエットが太めだったり、そもそも明確にスキーやボードに焦点を合わせていなくて、どちらでも使えるようになっていたりと、境目があいまいになってきている部分も。
特に北欧系のブランドや、それに近いシルエットなどがバックカントリー系やテクニカル系のライダーを中心に人気を得てきているので、業界的にも境目をなくしたウェアが徐々に増えてきているように感じます。
値段の相場は?
ウェアの値段はピンキリですが最新モデルで上下4~5万、型落ちで3~4万がいわゆる真ん中(ミドルレンジ)くらいの相場かなという印象です。
型落ちは色やサイズがかなり限られてしまう一方、気に入ったデザインや色があればかなりお得なので自分はなるべく型落ちで探すようにしてます。(色んなお店を巡って探す楽しみもあるしね!)
1~2万くらいでも買えないこともないですが、防水性能とかを考えるとあまりおススメはできないので買うのであれば気合い入れて少し高めのウェアを買うことをおススメします。
何を基準に選べばいい?
初めての1着であれば、まずはかけられる予算を決め、それをもとにお店に行ってシルエットや色味、デザイン等で決めてしまうのもいいのではないかなと思います。
※サイズ感や比較対象がない場合はなるべくネットでは買わず現物を見て選ぶことをおススメします。
そして、買うからにはやっぱり何年かは使いたいですよね?
まずはデザインや色でおおまかに見てみて、気になるものがあった場合は防水性能やウェアの付帯機能(ポケットの位置や雪が入りにくい工夫など)を見ていくというのが個人的にはおススメの流れです。
複数年使いたいのであればある程度は予算に余裕を見た上で、最低限の防水性能をもったものを購入しましょう。
※予算1万~2万しかなくて、年に1~2回しか行かないのであればレンタルウェアでもそこまで変わらないと思います
また、ウェアを選ぶ際に気を付けたいのがサイズ感!
基本的にウェアを着る時には中にもお尻パッドのようなプロテクター類やフリースなどの中間着など、いろいろ着る可能性があるのと、割と動きの激しいスポーツなので、少しゆったりしたシルエットのウェアの方が基本的にはおススメ。
一部のスノーボーダーの間でスキニーフィットも流行ってはいますが、よほど上手くない限りはあまりかっこよくは見えないので、よほどのこだわりがない場合は少し緩めのシルエットで選ぶことをおススメします。
カラーやデザインを決める際の注意点
雪山では周りが白銀の世界で、周りも派手な色使いの人が多いので思っているよりも明るめの色でもそこまで浮きません。もし気に入った好みの色やデザインが見つかって、「でもちょっと派手すぎない?」と思った場合は思い切ってみてもいいと思います。
女の子用のかわいい柄のデザインは2~3年経つと古い感じが出てしまいやすいのですが、基本的に価格帯がそこまで高くなく(上下で3~4万程度が相場)、また機能的にも元々の防水性能などがそこまで高くないものも多いので、2年前後で買い替えていくのもアリだと思います。
ちなみに白っぽい色使いのものは汚れが目立ちやすいので、かなり気を付けてつかったとしても2~3シーズンも使えばかなり汚れてしまいます。
(特にパンツは汚れやすいのでなるべくなら黒っぽい色がオススメ)
ウェアは長く使いたい!という場合は柄物はなるべく避け、色遣いのシンプルなものを選ぶ方が飽きがきにくく、デザインの古さとかも出にくいので無難です。
女子の場合、見た目がかわいい感じになりにくいのが難点ですが…
防水性能と透湿性
防水性能って?
そもそもスノーボードのウェアを着るのは雪山という過酷な環境で快適に過ごすためなので防水性能は結構大事になってきます。
近年は暖冬の影響でトップシーズン中もみぞれのような雪や、最悪雨が降ることもあるので、『1月~2月のトップシーズンにしか行かないよ』という人も最低限の防水性能のあるウェアを選ばないと寒い思いをしてしまう可能性が高いです。
あと、よく勘違いしている人がいますが、ウェアの表面が水を弾いているのは『撥水』であり、防水とは違います。撥水が切れても防水がちゃんとしていればウェア内部はドライな状態を保ちますので撥水しない=防水性能がゼロではありませんよ!
防水性能の表記と目安
防水性能は主にmm表記で、市販のウェアに使われている生地の防水性能は大体5,000mm~30,000mmの間ですが、リフトなどで摩耗しやすいパンツに関しては15,000は欲しいところですね。
数字出されても分からないよ~という方のために、ブリヂストンのサイトの数字が目安として分かりやすかったので参考までに貼っておきますね。
一般的な目安は、下記のようになります。
20,000mm --- 嵐
10,000mm --- 大雨
2,000mm --- 中雨
300mm --- 小雨
●傘の耐水圧:250mm程度
●体重75kgの人が濡れた場所に座った時の圧力、約2,000mm
●濡れた場所へ膝まずいている時の圧力、約11,000mm一般的にレインウェアを選ぶ目安として、小雨や小雪を凌ぐ程度であれば
5,000mm、スキーやゴルフは雨、雪にさらされるので最低10,000mm以上、登山などは命にかかわるので最低でも20,000mm以上が必要と言われているそうです。上記の数値は初期の耐水圧ですので、繰り返しの洗濯や使用時の摩擦によって機能は少しづつ低下しますので、永久ではありません。
「透湿度」とは、生地1㎡あたり、24時間で何gの水分を透過した(外に出す)かを示した数値。衣服内の水滴にならない蒸気状態の汗を、生地が透過させる(外に出す)度合いを表します。例えば、透湿度20,000g/㎡/24hであれば、1日(24h)で1平方メートルあたり、20,000g(20kg)の水蒸気の汗を透過する(外に出す)能力があるということになります。
もちろん防水性能の高い、高性能な生地を使ったウェアほど値段が高くなりますし、防水が30,000mm台のウェアともなると生地の質感がシャカシャカしていまいがちなのと、デザインよりも性能重視になってしまうので、『春先の雨の中でも滑るぜ!』みたいなガチボーダーでもなければ、15,000mmもあれば基本的には十分ではないかと思います。
ちなみに安いウェアや、デザイン重視の低価格のものだと5000~8000くらいのものも見かけますが、こういったものだとリフトに乗った時にお尻が濡れてしまったり、運悪く雨の日やみぞれの日に当たってしまった場合にウェアの中までビショビショになってしまう可能性が高くなりますので注意が必要です。
透湿性って?
上記の防水性能に加え、ウェアなどのスポーツで使うもので大事なのは『透湿性』です。これはどれだけ蒸気をウェアの外にを逃がせるか?という性能なのですが、この性能が低いウェア(例えば普通のビニールカッパはゼロ)を着ていると運動時に熱が逃げないので、熱くなりすぎて余計な汗をかいて消耗したり、さらにその汗で身体が冷えしてしまったりと不要な体力の消耗を起こしてしまいます。
透湿性の表記と目安
こちらはgあるいは㎡で表記されます。(例:10,000g や 10,000㎡)
基本的にはウェアの防水性能と同じくらいか少し少ないくらいの数字の生地を使っているメーカーさんが多いので、どちらかといえば防水性能で選ぶことの方が多いと思いますが、透湿性が1段階低いようなウェア(例:10,000mm / 5,000㎡)の場合は暖かい日に暑くなってしまう可能性があるよ!というのは覚えておいた方がいいかもしれませんね。
ウェアの付帯機能あれこれ
ウェアには色んな機能がついていますが、あると便利だったり、ないと極端に不便だったりするものがいくつかあるので代表的なものおさえていきたいと思います。
パウダーガード
ウェアのジャケットについている雪が入りにくくなるスカート状の装備です。
特にパウダースノーの時に威力を発揮しますが、転んだ時にずれてしまいやすくパンツのゲーターがないと結局濡れてしまうことも多い。
ブランドが上下で統一されていれば、ゲーターをパンツにボタンやジッパーで接続できることも多いのでブランドは上下で揃えるのがおススメ。
自分が長年愛用しているVolcomのジャケットとパンツにはチャックでパウダーガードとパンツを接続できる機能がついていて、ジッパーをすればまず雪が入ってこないので安心!ただしトイレの時に若干不便…(笑)
ウエストゲーター
パンツのウエスト部分についている装備。
転んだ時にズボンに雪が入るかどうかは、上記のパウダーゲーターよりウエストゲーターがあるかないかが左右することが多い。
最近流行りのビブパンツはゲーターの進化系だと個人的には思っています(笑)
ビブパンツに関しては別記事で書いているのでよかったらそちらも参照してくださいね!
リストゲーター
スノーボーダーの中でも割と賛否が分かれる装備。
袖口からの雪の侵入を防いではくれるが、ゲーター自体が水を含んでしまいそれが嫌だという人も割と多い。
※個人的にはあったら暖かいので使いますし、濡れたらまくってしまえばそこまで気にならないのでOKかなと思ってます。
リフト券ホルダー
一部のウェアについているおまけ(?)的な装備。
リフト券ホルダーはなくしてしまいやすいのと、紙のリフト券を見せればOKなゲレンデが未だに多いので割と重宝します。
ジャケットについているものが主流ですが、パンツについているものなども存在します。
付帯機能はいずれもおまけ的な部分が強いので、『あればいいな』程度に考えておいて、見た目と防水性能、あとはポケットの使い勝手などを予算と相談して選ぶのがいいのではないかと思います。
ちなみに予算がタイト目な方は下記の商品は値段は安いのですがなかなかの防水透湿性能なので、シンプルすぎるのが嫌だとかブランドにこだわりがあるっていう場合を除けば結構おススメです。
皆さんも素敵なウェアと出会えますように!
それではまた次回!
Ogi