カービングターン考察:③ターンイメージ
そういえば今シーズンも12月に苗場の研修会に行ってきたのですが、そこでテーマとなっていた内容の一部が自分の中でも割と大事な部分だったので、今回はそれについて書いてみようかと思います。
カービングをする時にCターンの延長でやってない?
個人的には特にJ〇BA系のバッジやイントラ検定を受けてきた人に多い気がするのですが、カービングをする時にCの字を2つ繋げたようなターンをイメージしてる人が割と多いように思います。
実際、カービングを教える際にはいわゆる『山回り』と呼ばれるフォールラインから遠ざかる部分(Cの字の下半分)から取り組んだ方がカービングターンに必要なエッジング感覚やサイドカーブを使う感覚などは分かりやすいですし、バッジテストは基本的に車でいうところの『教習所で習う運転(安全運転)』であり、それを指導するイントラ検定で求められるのも基本はそこなので、ある意味で仕方ないのかなとは思います。
カービングの本質って?
残念なのがあたかも各協会の教程的な滑りが絶対的な正解と考えているようなイントラが経験上非常に多く、カービングの本質的な部分を分かっていないで教えているところを見かけることです。
教程の滑りは教程の滑りとして間違いではないですし、理にかなってはいます。
そして教程本作ってる人たちやデモの方々はもちろん知っていますが、個人的な感覚として意外と現場のイントラ達は分かっていない気がするのです。
と、ここまで大風呂敷を広げた割にあまり大したことを言うわけではないのですが、カービングの本質とは『効率よく方向を変えて、最小限の労力で行きたい方向/場所に行ける』ことだと個人的には考えています。
自分の筋力(内力)は最小限に、効率よく外力を板や雪面に伝えて、行きたい方向へ板を走らせる…それこそがカービングの醍醐味であり、神髄ではないか?と思うわけです。
大事なのはコントロールする技術!
ずれを伴ったターンでは緩斜面では外力が逃げてしまい、スピードが出せません。
逆に急斜面でフルカーブしようもんならオーバースピードでぶっ飛びます。
大事なのはズレ・キレを適正に使いこなして必要なスピードで、必要な方向へ板を誘導できる技術なんではないかな?と最近は思います。(まぁ、僕は下手なんですけどね…)
今回の本題:Cじゃなきゃなんなのさ?
前置きが長くなりましたが、今回の本題:
『Cターンじゃなきゃどうすれば?』っていう風に思った方、是非次回からは是非『Sターン』で考えてみてください。
『Sターン』って単語自体、色々な使われ方しているかと思いますが、僕の言っているSターンはいわゆる『ピーク・トゥ・ピーク』のイメージのことです。
なんじゃそりゃ?って方のためにざっくりしたイラストを載せます。
ちなみに『ピーク・トゥ・ピーク』は英語で『頂点から頂点』という意味で、この場合の頂点はターンがもっとも膨らむ谷回り(Sターンの後半)と山回りの間、Sターンでいうところのターンの継ぎ目の部分になります。
ちなみに19-20シーズンのシーズン頭にJ〇BAのA級持ってるイントラにこれを教えましたが『初めて聞いた』と言っていたので、おそらくまだ教程には載っていないものと思われます。
SAJも19-20の指導員研修のテーマになってたくらいなのでおそらく教程に乗るのはもう少し先でしょう…スピード競技(特にアルペン種目)や技術選に出ているトップ選手達にとっては常識ですし、元デモが作ってたDVDには15年以上前に収録されていたコンセプトですが、特にテクニカル(基礎の延長)しかやっていない人は案外知らない人が多いのかな?
ただし、言うは易く行うは難し
と、蓋を開ければ大したことではないのですが、実際にこのイメージで滑ろうとするとなかなか難しいんです。特に慣れないうちはターンが浅周りになってしまって暴走したりもしやすいので、注意が必要です。
このイメージで滑るための具体的なドリル(トレ―ニング)もいくつかあるのですが、実際に滑りながらでないとなかなか伝えるのが難しいので、将来的に機会を作ってキャンプやレッスン等でお伝えできればな~なんて思っています。
文字数も多くなってしまっているので今日はこの辺で!
それでは!
Ogi